とある大学に捨てられた猫たちと、そんな猫たちを見守る日記 ~猫と医学と~命を尊ぶ

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2006-04-20-Thu-01:18
大学の猫たちオババ、空を飛ぶ


はてさて、どうしたものか...

明日、甥っ子がハワイで挙式、今日オババはハワイ航路を一直線~♪オババを送りだすためにお休みをとった。なにせ、決断が遅い、トイレが近い、勘違いが甚だしい。一人で行かせたら、平壌にでも飛んでいきそうだし..... もう、疲れました。猫よりも手がかかるわい。

夕方、思ったよりも早く帰れたので、ういろうを見に獣医さんへ。貧血は、進んでいた。ヘマトクリットは、たった8%。

通常、貧血を表す数値は3つある。赤血球数とヘモグロビン値とヘマトクリット。赤血球数はその名の通り、1ミリ立法メートルあたりにある赤血球の数をいう。人間だったら、350万から500万くらい。ヘモグロビン値は、100cc当たりの血液中にある血色素(ヘモグロビン)のミリグラム数で表す。人間で12g/dlから15g/dlくらい。ヘマトクリットは、血液の中で赤血球が占める体積の割合を示す。血液全体を100%として赤血球が何パーセントを占めるかということ。通常32%から50%くらい。この3つを赤血球恒数という。

どれが重要かというとヘモグロビン値。赤血球は酸素を運ぶのが役目で、その酸素を結合して運んでいるのがヘモグロビンなのだ。だから、いくら赤血球が多くても、体積が大でも、ヘモグロビン値が低ければ、酸素が身体に廻らない。でも、検査しやすさでいうと、ヘマトクリットだから、迅速に簡単に検査しようと思ったら、ヘマトクリットになる。赤血球恒数は、通常、パラレルに動くから、そうそう数値がバラバラになることはない。

で、8%という数字はどうかというと... 人間だったら意識朦朧、動悸息切れ、頭痛、たぶん、動けない。一番大事な頭に酸素を運ぼうとするので、心臓は薄い血液をバクバクと汲み出す。それが続くと、高拍出性の心不全になる。

ういろうは若いし、貧血に身体がなれているようで、見た目元気そうに見える。

「もうそろそろ輸血が必要ですねえ」

前回の輸血からほぼ3週間だ。しかし、猫の場合、細かな血液型や抗体検査はできないせいか、輸血も3回くらいが限度だという。たぶん、ちょっとした抗体ができて、輸血の効果がなくなり、溶血が起こるのだろう。人間でも、細かく言えば、赤血球の表面には何百という抗原があって、人それぞれ固有の抗原を持っている。臨床的に輸血の効果や副作用が起きるかという点から、ABO式血液型とRh式血液型が最も重要だけれど、輸血することで、その他の抗体ができてくる。それを不規則抗体という。これができると、その抗体に反応する抗原をもった赤血球が入ってくれば、一網打尽、溶血が起こるのだ。なので、反応しない血液を探す必要がある。

人間では、輸血で不規則抗体ができる確率はかなり低い。うちの病院は600床、月平均100人が輸血を受けてるが、不規則抗体ができるのは年間10人以下だ。

先日のEPOの件といい、どうも猫は他者に対する抗体産生能力はずば抜けているようだ。

ともあれ、ういろうは、週末に最後の輸血を受けて石田パパの元へ帰ることになりました。どうなるかは、わかりません。でも、このまま獣医さんの所にいるのが、ういろうにとって幸せかと言われたら、そうじゃないとしか...

希望がないわけではありません。現在、ステロイドを使用しているういろう。ステロイドはBリンパ球に働いて、抗体産生を抑制します。そして、ういろう自信FIVのキャリアであることは、そういった免疫能が低下しているだろうし。現状の治療に先が見えない以上、思い切った方向転換も必要かも。

ネネちんも、実はヘモバルトネラの発症で酷い貧血になり、輸血を受けて抗生剤を投与されて退院しました。飲ませてくださいねー、と渡された抗生剤は、結局1回くらいしか、飲ませなかった。何よりも食べて、寝て、体力を付けさせたかった。治らないのなら、苦しませたくなかった。それがよかったのか、ネネちんが強かったのか、ともあれ、三途の川の中州から、生還したネネ。

ういろうの血液像からは、骨髄での赤血球産生が低下してる可能性があるとのこと。たぶん、これは網状赤血球という若い赤血球(核が抜けたあとRNAが断片的に残存している)を見てのことだと思いますけど。通常、溶血は赤血球の破壊亢進だから、骨髄ではせっせと造血に励むものなのです。ところがそれが産生していないということは.... FIVからの骨髄機能低下なのか、それともひょっとしたら抗生剤の副作用としての骨髄抑制なのかも。

ともあれ、ういろうの残された時間がどのくらいなのかは分かりませんが、幸せな時間を少しでも過ごさせてやりたいのです。



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Comment

2006-04-20-Thu-01:37
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2006-04-20-Thu-16:32
奇跡

ネネちんは死の淵から生還したんですね。そんな子は尚更愛しさもひとしおでしょう。
うちのマダラも「骨盤骨折」「内臓破裂」の事故で、肺は破れてるわ、肝臓も壊れてるわ、お尻から出血して、足はブランブラン、猫友が抱いて連れてきた時は、真っ青になりました。
行きつけの獣医さんへ駆け込んで、レントゲンを撮ったら、腰の骨はひし形にひしゃげてるし、「手の施しようがない」と言われて、治療は酸素室に入って、胸に溜まった水を抜いて、抗生剤を注射してもらったぐらいかな。立てない足に力が戻ってくるまで、だいぶかかったし、膀胱も破れてるかも知れないという最初の見立てが外れて、オシッコが出て、一喜一憂しながら、毎日病院に通った約2ヶ月。後ろ足に力が戻った。座れる。食べない食べた!そのマーちゃんは、今では木にも登れる。ジャンプも平気、走る姿は少し斜めかな?という感じですが、沢山の感動を与えてくれました。先生も「このこはすごい!」って。
ういろうちゃんにも、こんな奇跡が起こればいいなと思います。

2006-04-20-Thu-23:01
追伸

「病院に通った」のは、私で、まだらはずっと入院していました。

2006-04-20-Thu-23:32

ひゃ~、マダラも壮絶だったんですねえ。お嬢も、最初、腸から出血してたから、絶対に骨折して直腸に損傷をおこしたと思って震えました。だって、腹膜炎を併発したらどうしようもなくなりますし。お嬢はすぐに手術してもらったのですが、マダラは自分で治したんですね。えらいなあ。胸も損傷してたんでしょう?辛かっただろうね。よくがんばったね。
おぅちゃんも、ひっそりと苦しい時期を一人で怪我と戦ったんです。やっと動けるようになって、出てきてくれた。
動物には人間も含め、奇跡的な自然治癒能力がありますものね。信じてます。

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はなちん

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大学で最後に生まれた茶々は、1年間限定の命の蝋燭を燃やし尽くして、旅立ちました。でも、小さな命の悲鳴は、続きます.....

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